ブログ

Blog

ペットの体を総体的に見る【涙焼けの原因とそれぞれの解決法】

ウィンクするラブラドール

目次

卵が先かニワトリが先か~原因の探り方

一言で”涙焼け”と言っても、原因は様々です。

内臓疾患に比べると、涙焼けは病気のうちに入らないと思われているのでしょうか。

一応”流涙症”という専門的な名称もありますが、
「なぜ涙焼けになったのか?」
という原因は考えておく必要があります。

涙腺や涙管に器質的な問題がある場合ももちろんありますが、涙腺やその周辺に問題はないのに起こる場合もあります。

器質的な問題であれば、それを取り除けば解決しますが、ご相談数の多さから考えてもそれ以外の原因の方が多いのではないかと思います。

この”器質的な問題がない場合”には、内臓からのサインも含まれているため軽視できません。

目の状態は、肝臓や脾臓と密接に関連しており、特に沈黙の臓器と言われる”肝臓”の状態を表していることもあるからです。

例え血液検査で正常範囲でも、肝臓的には頑張って頑張って、通常運転を保っているかもしれないのです。

目の状態はその活動状況を報告している時もあり、丁寧に見極めておくことはとても大切なことだと考えます。

涙焼けは体質なので治らない?

白い小型犬

涙焼けの受け止め方も、ただ『毛が汚れる』くらいで、あまり気にしない方もいれば、食餌でなんとか改善しようとしている方もいらっしゃいます。

巷にあふれる情報を見ても、
・体質なので食餌では改善しない
・小型犬はしょうがない
・手術しないと治らない

という意見もあれば

・脂質の少ない食餌にすると良くなる
・添加物の少ないフードにすると良くなる
・○○というサプリが効く

という意見もあります。

実際、涙焼けの原因は様々で答えは一つではありません。


その中には、確かに”体質”と呼ばれるものはあります。



涙は瞼の目じり側で作られて供給され、目を開けている時は常に眼球を守り、ほこりやちりなどを洗い流しています。
その後、涙は目頭の方にある涙の受け皿=涙管を通り、鼻やのどに流れていきます。

ところが
・涙管が閉じている
・涙管が狭い
といった理由で、涙があふれてしまうことがあります。

圧倒的に小型犬に多いのですが、このあふれた涙が目の周辺の被毛を汚し、いわゆる”涙やけ”という状態になります。

この中でも涙管が”閉じている”というのは生まれつきである場合が多く、確かに”体質”と言えるかもしれません。
また狭い涙管も生まれつきの場合もありますが、炎症によって腫れて狭くなっている場合もあります。

生まれつきの体質によるものは手術で改善できる症状です。
しかし小型犬の場合、他の持病や体力的な面で、必ずしも手術がベストな選択とは言えません。


また「こまめに拭けばいいのではないか?」
という意見もありますが、涙管で受けた涙は鼻やのどを常に潤す役目もあります。
鼻やのどの潤いは、長期的に肺や他の臓器へも影響するので、ここは獣医師と十分に相談されることをお勧めします。


ちなみに涙管狭窄の原因が炎症の場合は、まずその治療からになります。

添加物や脂質の少ないフードにすると治るのか?

床に散らばったドッグフードを食べる犬

この意見はネットでもかなり多く出てきて、実際に「良くなった」という声も見ます。

中には目の周辺をふき取ったウエットティッシュが茶色く変色した画像付きで
「酸化した油や添加物による汚れ」
と解説しているものもありましたが、ちょっとそれは・・・(;´∀`)


涙は目を潤すだけでなく、汚れや細菌、ウィルスなども流しているので、例えば交通量の多い都市部や工業地帯などにお住まいの場合、どうしても黒っぽい目ヤニが付きやすくなります。

これは生理現象の一つですので心配ありません。
これこそ気が付いた時にふき取れば済むものです。


また細菌やウィルス感染した場合も、目ヤニは出て、それをふき取らないと被毛に着色します。
同じ結膜炎でも、逆さまつげなどの刺激で炎症を繰り返す場合は、逆さまつげの治療をすることで解決し、目の周辺に被毛が目に入ることで炎症を起こすならトリミングで解決します。
問題は細菌感染やウィルス感染を繰り返す時です。


目の周りを神経質にふき取っているだけでは解決しません。

問題なのは結膜炎になることではなく『感染を繰り返す内臓状態』なのです。

こういった原因がある時は、食餌改善が効果を発揮します。

食餌改善が涙焼けに効果的なケース

フードに含まれる添加物や酸化した脂質が涙として排出され、被毛を汚すというのは考えられません。
ただ過剰な脂質や質の悪い脂質、各種添加物が代謝され、回りまわって涙焼けの原因となる可能性は十分にあり得ます。


それは東洋医学的に肝臓と目はセットで見るからです。
食餌に含まれるそういった物質を代謝するには消化に負担がかかり、肝臓にも負担がかかり、結果的に目に症状が出ていると考えます。



こういった場合は、肝臓をバックアップする食材を取り入れた水分たっぷりの食餌メニューに変えることで、徐々に改善します。


涙焼けに関わらず、目に何らかの症状が出ている時は消化機能に問題が起きているか、肝臓の過剰な熱が上がってきていると考えます。

「消化機能と目?」
ちょっと意外な感じがするでしょうか。


多すぎる脂質を消化するために、過剰な熱が発生すると、体液を使いすぎて体内の”水”や”血”が不足してしまうのです。

体内の栄養源となる”血”と流れを作る”水”の不足は、かゆみや赤みを伴った目の炎症として現れます。
かゆみを伴っていると、当然前足でかいたり、マットなどにこすりつけたりしますので、傷がつきやすく、そこから細菌感染します。

またそのような時は、皮膚や被毛も乾燥気味で、フケが出たり、毛づやも悪い傾向があります。
そしてかゆみやそれに伴うイライラは、肝臓にさらなる負担が生じ、益々機能が低下する悪循環になるのです。

そういった理由から『過剰な脂質摂取が涙焼けにつながる』ということは言えると思いますが、過剰な脂質が物理的に涙管を詰まらせるというような事実はありません。

肝臓がもたらす過剰な”熱”が目に問題を起こす別のパターン

半目の猫

前項のように、熱の発生によって体液の不足から乾燥を招いた状態を放置すると、さらに熱が作られ状況は悪化します。


体液を使い果たしても収まらない熱はひたすら上昇し、今度はまぶたが腫れぼったくなり涙目になります。
こうなると”涙”というより、ねばねばして匂いのする目ヤニになります。


こういう症状が出ている時は、肝臓がかなりバランスを失っていますので、代わって脾臓が必死に活動し始めなんとか体内の水分バランスを元に戻そうとします。

脾臓の負担が増えると、さらに消化機能に弊害が出てきて、食欲に変化が見られたり胃腸症状が出てくることもあります。



こうして肝臓と脾臓を巻き込んで体内の水分バランスがアンコントロールになると、目の周辺だけ”湿”が滞り、まさに『ひどい涙焼け』という状態になります。



この状態に陥ると目の周辺のふき取ったり、目薬を使っても、なかなか良くなりません。

かゆみはステロイドなどで一時的に収まるでしょうし、こすって起こった細菌感染も抗菌薬で少しは良くなったように見えるかもしれません。


しかしステロイドや抗菌薬は根本原因の解決にはなりません。
もちろんかゆみや感染症の治療は必要ですが、並行して食餌や生活改善で体内バランスを整えないと負のスパイラルから抜け出られません。

アレルギーと目の炎症

目薬

これも近年増えているケースですが、アレルギー反応も異物の侵入を排除する反応であると考えると、肝臓の仕事の一つで、やっぱり目に出やすいのです。

タンパク源が合わないのなら、別のものに変えるか、着色料などが原因となる場合もあるので、そういったものを使ってないものにしましょう。


またアレルギーと非常に紛らわしい症状に”食物不耐性”というものもありますが、どちらにしろ肝臓と脾臓の強化は必要になります。
これは食餌の改善が得意とする分野です。

まとめ

涙焼け(流涙症)は食餌で改善が期待できる場合とそうでない場合があります。

またかゆみや炎症が起きている時は、薬剤による治療が必要ですが並行して食餌の調整が必要になります。

2歳以上になると目の筋肉の発達によって、涙の受け皿がしっかり働くようになり、自然と改善する場合もあります。

また目や内臓の問題だけでなく、怒りやイライラ、長時間の留守番によるストレスなど、精神的な問題から目に症状が出る場合もあります。

文字通り『目は心の窓』です。

『目を真っ赤にして怒る』
なんていう表現もあるように、怒りやストレスが目に現れることもあります。



原因を探ることは、解決の近道であり、辛い症状を繰り返さない秘訣です。

SHARE
シェアする

ブログ一覧

ページの先頭へ